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【10. 不動産投資の失敗例について】の口コミ情報

「不動産投資」について、オーナー様へのアンケートを実施した結果、自己評価で満足・納得とうまくいっていると感じる方は6割程度、残り4割のオーナー様は過去に失敗の経験がある、いまもうまくいっていないと感じるなど不満・不安があるそうです。
その失敗の評価、あるいはいまもうまくいっていない感覚はどこから来るか、回答からのワースト3は「空室が埋まらない」、「修繕費・維持費が予想以上の負担に」、「物件を相場より高く購入」なのだそうです。調査不足や運用シミュレーションに甘さがあった可能性が示唆されています。失敗パターンが見えているので、かなりの部分が予防できるはずで、対策は失敗に学ぶことといわれます。

「不動産投資」の失敗、そこは学びの宝庫

「不動産投資」についてのオーナー様アンケートから「失敗した!」と認識した回答ワースト3、「空室が埋まらない」→空室リスク、「修繕費・維持費が予想以上の負担に」→経費、「物件を相場より高く購入」→物件取得費、不動産投資のフローのなかの購入ステージ、運用ステージの課題ということがわかります。さらにタイミング的には各ステージの早い段階で判明するであろう課題となっています。
それだけにベテランオーナー様からすると、「不動産投資」の失敗パターンはある程度まで予知・予測できる、注意してチェックするとリスクを察知できるケースも多くなるというのです。私、佐藤も同様の意見です。不動産投資にとりかかるなら、リスクに対する感覚、知識を持つ姿勢が大切になってくると思うのです。

ただ魅力的な物件を目の前にして、「この物件を買いたい!」と思ったとき、どうしても焦りがでてしまい、チェックが甘くなるのも事実です。良い物件は「センミツ」ともいいます。本当にいい物件は、1000件のなかの3件くらいしかないということを指す言葉です。

それでは「こんな物件を待っていた」、「いい物件に出会った」という浮き足だつような気持ちのなかで、しっかり地に足をつけた判断や自己チェックをするにはどうするか、何か準備できることはないか。
「不動産投資」にうまく取り組めているオーナー様の多数が、最初は成功例の見聞で不動産投資に興味を持ったが、勉強する過程で失敗や他のオーナーの苦労談に耳を傾けることのほうが自分の運用の参考になることに気づいたといいます。
人には隠しておきたいのが失敗談ですから、失敗談を聞けるセミナー、失敗例に学ぶ不動産投資ガイド本など、敢えてネガティブ内容を避けないで失敗を見つめることこそ勉強になるというのです。失敗は成功に繋がる学びの宝庫かもしれません。不動産投資の成功を追求する手段のひとつとして、失敗に学ぶ姿勢をもちつづけましょう。


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ケース1.【空室リスク】現地での物件調査を怠って失敗した!!

Aさんはインターネットの売却物件のなかに、地方のファミリータイプの区分所有中古マンションで物件取得価格400万円、見込み家賃10万円の物件情報を見つけました。現況は空室ながら利回り30%、魅力だなと感じて不動産会社に問い合わせると、「オーナーが売り急いでいるから、すぐに購入するなら300万円で交渉する」と請け合ってくれました。利回り40%、これは掘り出し物件をゲットできたと有頂天になりました。急いで決めることを念押しされていたので、現地調査は省いて契約を決めました。

空室になっている部屋の客付けを急ぐため、購入後に物件近くの賃貸不動産会社に募集協力の依頼にいきました。「駐車場は確保できていますか?」と聞かれました。首をヨコに振ると、担当者が「あのマンションは駐車場のアキがありません。また物件周辺、かなり深刻な駐車場不足になっています。リーシングに苦労するかもしれません、駐車場の確保が先決ではないですか」といわれてしまいました。
公共交通機関が不便な地方のため、一家に1台以上の車所有が当たり前になっていて、駐車場がないことには入居が決まらないというのです。
その担当者の言葉は事実で、Aさんは客付け促進に30万円で内装工事したり、美しい部屋をアピールするチラシをつくって周辺の賃貸不動産会社に配ったり努力をつづけますが、どうしても入居者様が決まりません。

【失敗からのメッセージ】インターネットでの「事前調査」に加えて、実際に物件を点検する「物件調査」、近隣の不動産業者に地域情報をたずねる「聞き取り調査」などを行うべきです。家賃相場を知ることができたり、調査は得るものが多く失敗のリスクを減らしてくれます。

ケース2.【購入時リスク】契約書をよく読まずヒヤリ!!

Bさんは信頼できる友人に紹介してもらった不動産会社を通じて、横浜の人気エリアのアパート1棟を購入することにしました。Bさんにとって2棟目の物件取得になり、1棟目での物件取得経験が自信になったので、売買契約も順調に進んでいると感じていました。契約当日もあまり注意深く契約書の記載条項を読み込まずにハンコを押していきました。

後で契約書を熟読すると、融資特約の期間(融資が条件に見合わない場合、契約を白紙解約できる買主に解除権を定めた条項)が短い設定であることが判明しました。Bさんの融資付けは難航して、複数行から融資NGの回答が来てしまいました。うまく資金繰りの見通しがつかないなか、融資特約の期間はどんどん残り少なくなります。残る1つの銀行の融資審査の結果しだいでは、融資特約の期限延長を交渉しなければならないと焦りだしました(双方で覚え書を交わします)。融資特約の期間を経過してしまってからの解除となると解約金=物件価格の20%の支払いも発生します。

【失敗からのメッセージ】Bさんは残る1行から融資OKの回答を得て、2棟目のアパートを無事に購入することができました。ただどんな場合も、契約を締結するにあたって「契約書」や「重要事項説明書」は細かく確認する必要があります。
融資特約の期間のほか、「手付解約期間」、「接道状況」、「都市計画区域の種別」、また特記事項があれば物件状況の全てを確認することを推奨します。

そもそもBさん、2件目の物件取得で少し緊張感が欠けていました。その慣れによる油断は、契約回数が2回目~5回目あたりでよく見られる傾向です。初心、忘れるべからずです。

ケース3.【運用時リスク】新築プレミアムの落剝!!

若いCさんは都内人気エリアの新築ワンルームマンションを、返済期間35年の不動産投資ローンを利用して購入しました。自ら不動産投資を始めることを望んで積極的に動いた訳ではなく、不動産会社に熱心に勧められたというのが実情です。物件取得費は3300万円、家賃は10万円台前半ですぐに入居者様が決まりました。売主の不動産会社の営業担当は、「いまは毎月2万円のマイナス収支ですが、ローンを完済したら安定した賃貸家賃収入が入ります。Cさんの将来の大きな資産になりますね」と、問題ないかのような口ぶりでCさんの決断を褒めたたえます。

購入から3年が経過、新築当初からの入居者様が転勤のため退去することになりました。入居募集を開始しましたが、空室のままで次の入居者様が現れません。管理会社に相談すると、「新築時の家賃設定から2万円を下げないと入居者がつかない」といいます。Cさんが驚いた顔をすると、前の入居者様は「新築でキレイな部屋だから」10万円台前半の新築プレミアムを織り込んだ家賃を受け入れてくれたという説明です。10~20%の新築プレミアムの落剝を受け入れて、周辺の家賃相場並みにしないとリーシングが困難というのです。
結局、空室リスクを放置できず管理会社の意見を受け入れることしたCさんでしたが、ローンの返済や管理費用など毎月マイナス4万円の赤字倍増は頭痛のタネになってしまいます。

【失敗からのメッセージ】Cさんは不動産投資をスタートするとき、まだ勉強不足を自覚しながら、物件購入を勧める営業担当者に煽られてしまったことを後悔しています。多少でも知識があれば、新築プレミアム(新築が好きな日本では、相場より10~20%価値が高い)落剝後の運用期間のほうが長いことから、新築の賃貸開始時点から毎月のマイナスキャッシュフローに陥ることを回避する方法を、不動産会社と相談できたんじゃないかといいます。
いまは不動産投資について学ぶための方法も、書籍、CD・DVD、セミナー、Webセミナー、YouTubeの動画など多彩になっています。
不動産の投資物件は、立地、ロケーション、設備など「購入時に投資成否の90%が決まってしまう」とまで断言するオーナー様もいます。
勉強だけでなく、物件選定、不動産会社/管理会社との関係性構築まで含めて「最初が大事!」と考えましょう。

ケース4.【購入時リスク】引き渡し時期が後ズレ!!

Dさんはアパート経営に好適と思う土地を購入しました。建築会社を選定するため複数の建築会社に建築費用の見積もりを依頼しました。費用面の選考はもちろん、建築の引き渡しが2月頃までに可能か、これも重要な条件にしました。3月~4月になって人が一番住まいを移動させる時期までに、入居募集を開始できるようにしたかったからです。
依頼を決めた建築会社から2月末までに引き渡しできるという工程表をもらい、アパート経営の仲間からは木造建築は4ヵ月程度で完成すると聞いて、スケジュールも大丈夫そうだと安心して建築をスタートさせました。

実際のアパート建築はDさんの希望と異なり、図面の調整、大雪などの天候の影響など計画から大きく後ズレしてしまいました。予定を2ヵ月超過して4月末の引き渡しとなってしまいました。2ヵ月遅れの募集開始で入居希望者の動きは鈍く、入居者様を確保するのにDさんはとても苦労しました。

【失敗からのメッセージ】Dさん、理想のスケジュールを優先して、もともとタイトな計画を立てていたかもしれないことを反省します。建築会社は「計画よりも遅れるのは常識」という噂もあるくらい、スケジュールに狂いはつき物です。建築・引き渡し時期の大幅遅れで、遅れた分の賃料を建築会社に補填してもらうケースがあるくらいです。
新築アパートの建築スケジュールの目安は、建設用地を見つけて融資に1ヵ月半、建築確認申請などに2ヵ月半、建築に4~5ヵ月程度=トータル8~9ヵ月くらいを見込んでおくべきです。
もうひとつの対策に、新築物件の管理会社と建築会社を連携させて、入居可能時期が見えたところで入居募集の動きだしを始めてチャンスロスを最小にする手立てです。

ケース5.【経費過少見積りリスク】RC造7階建て中古マンション、経費や税金忘れてた!!

Eさんはアパート経営中心のオーナー様でした。ポートフォリオ拡充に動いた時期、3000~4000万円のクラスの手ごろな物件がライバルにことごとく先に購入されてしまうため、鉄骨やRC造の中古マンションに矛先を変更しました。
物件取得価格1億円のRC造7階建て中古マンションEV付、築25年の物件に注目。損益シミュレーションを家賃収入100万円、ローン返済50万円、管理費を15%の15万円として、差し引き35万円のプラスは魅力でした。精緻な運用シミュレーションを忘れて取得を先行しました。

Eさん、経費過少見積りリスクに捕まります。固定資産税の税金納付書100万円の通知が購入後に届けられて、購入時に精算表に固定資産税の記載もあったはずですが、その経費計上を忘れていたことに気づきます。
次にエレベーターの保守点検費用の請求を見て2度ビックリです。ほぼ管理費用と同額の負担になります。経費を支払った後の手元キャッシュは小さく圧縮されてしまいました。

【失敗からのメッセージ】EさんはRC造中古マンション投資に取り組むのは初めてになるため、うっかり経費にEV保守点検費用を失念するなど初歩的なミスをやらかしてしまいました。
RC造の建物は減価償却期間47年(年平均2.1%の償却)、実際の使用可能期間は60年以上になると見られています。その財務特性が収益特性にも反映されて、法定耐用年数が長い分、中古物件でも融資が組みやすく安定的にキャッシュフローを生み出すという特長があります。
反面、RC造はコストが高いという費用特性があり、修繕コスト、固定資産税、設備関係も多いため想定外の修繕費用負担が発生して、負担額も大きく100万円単位になることがあります。例えば、大規模修繕の際の足場組みなどの費用です。
「RC造は融資が付きやすい一方、小回りが利かずにコストが大きくなる」ことは忘れてはいけません。

ケース6.【運用時リスク】適切対応が解決を呼ぶ!!

これは投資面の失敗ではありませんが、頻繁に発生する悩ましい事象です。Fさんの中古マンションのゴミ置き場に、テレビ、家具、折れた木材などの不法投棄があり、管理会社からFさんに連絡が入りました。すぐ前にもテレビの不法投棄があってFさんが自費で自治体の有料ゴミ収集を呼んだばかりです。
再度のゴミ不法投棄を重く見た管理会社とFさんは協議して、警告文の掲示を行うことにしました。

「〇〇警察署生活安全課と連携して、ゴミの不法投棄の監視強化を依頼したこと
 ゴミの不法投棄の犯人検挙を目指して、監視カメラを設置したこと
 ゴミの不法投棄を目撃して犯人検挙につながる情報を〇〇管理会社に提供した協力者に謝礼として金3万円を贈呈する」
警告文が奏功して、ゴミの不法投棄がピタリと止まりました。

【失敗からのメッセージ】ゴミ置き場の不法投棄の問題解決を先送りにしておくと「ゴミがゴミを呼ぶ」ことになりがちだといいます。ゴミのせいで資産価値が下がってしまうのはやり切れません。管理スキルを持っている管理会社と相談して対応・解決していく必要があります。清掃回数を増やしたり、観葉植物や花壇を設置したり、ゴミ置き場の警告文の掲示だけで効果がないときは、ポスティング(投函)、面談というように働きかけを強めていきます。
外部犯行のときは、管轄警察署の生活安全課に相談します。