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【8. 不動産投資信託について】の口コミ情報

不動産投資信託(REIT:Real Estate Investment Trust)は、不動産を中心に運用する金融商品で、その多くは金融商品取引所に上場して通常の株式と同じように証券取引所でいつでも売買が可能です。リアルな不動産投資よりも自由に取引ができ、他の投資信託よりも高いパフォーマンスが期待できるため、多くの投資家から人気のある投資商品になっています。実際の収益用物件の購入・運用と異なり、不動産投資を証券化した金融商品であることから、比較的少額から証券取引所を通じた自由な売買(証券会社に取引口座を開設する必要)が可能で気軽に取引できるメリットがあります。

不動産投資信託(J-REIT)の特徴

不動産投資信託(REIT)は、株式、社債などと同じ金融商品のひとつで、マンションやテナント賃料といった不動産家賃収入と不動産売却益を中心に運用するものを指します。その多くが証券取引所に上場されているため、他の金融商品と同じように自由に取引することが可能です。

REIT(リート)と呼ばれて、不動産投資信託の仕組みが生まれたアメリカではREIT(Real Estate Investment Trust)と呼ぶことから、日本のREITは区別してJ-REITという名前を付けています。

J-REITを買い付けた投資家は、J-REITを通じて間接的にそれぞれの不動産投資法人が保有運用する様々な不動産のオーナーになり、不動産のプロ(資産運用会社)による運用の成果を分配金などの形で享受することができます。

不動産投資法人は資産運用会社を通じてリスク分散の観点から、獲得・保有する投資先の不動産物件のポートフォリオ(組み合わせ・内容)をモノラルなものよりマルチプルなラインナップに充実させますから、自然に分散投資のリスクヘッジもできます。

(1)少額からの投資が可能です

10万円前後からJ-REITへの投資は可能です。現物不動産への投資に比べて、少額から購入できます。
株式投資の銘柄の買い付けが1単元=100株からなのに対して、J-REITは1単元=1口から売買が可能です。

6月11日の東京証券取引市場の時価での取引の例(終値ベース)では、1口あたり一番高額だったJ-REITは証券コード8972ケネディクス・オフィス投資法人 投資証券で、79万9000円でした。取引ボリュームの出来高は4383口でした。

逆に1口あたり一番低額だったJ-REITは証券コード3298インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 投資証券で、2万2510円でした。取引ボリュームの出来高は9万6114口でした。

(2)換金性が高い

現物不動産は換金性が低く流動性リスク(売りたいときにスグに売れない、半年~1年がかりでやっと売却)にも留意が必要になりますが、金融商品取引所に上場しているJ-REIT銘柄は、上記の例示で確認したように活発な売買取引(商い)=高い換金性(流動性)が確保されています。

(例外は福岡証券取引所に上場している証券コード8968福岡リート投資法人 投資証券で福証での出来高ゼロのケースが多いのですが、東京証券取引所と重複上場していることが理由です。8968福岡リート投資法人の取引にも東京証券取引所を利用します)

(3)分配金が受け取れます

分配金は、テナント賃料や不動産売却益から、不動産の維持・管理費用や金利等を支払った残りの利益から支払われます。

例えば証券コード3287星野リゾート・リート投資法人 投資証券=(星野リゾートがスポンサー。同社が展開する『星のや』『リゾナーレ』中心に他社ホテル、旅館に投資方針。直近保有資産は62物件、1627億円)の2021年4月期の分配金6390円、21年10月期の分配金予想6338円で年間1万2728円予想であり配当利回り1.86%になります。

(4)不動産のプロが運用・管理します

J-REITの不動産投資法人が行う「不動産投資」は、マンション、アパート、戸建ての居住系物件以外にもオフィス、ホテル、物流センター、倉庫などのテナント系物件にも幅広くにわたり、不動産投資のプロである資産運用会社が厳選した不動産への投資を行います。
また、不動産の維持・管理は、資産運用会社が選定した専門の管理会社が行います。そのためJ-REITを買い付けた投資家は物件選定の際の情報入手や物件の維持・管理・運営を行う必要などもありません。

不動産投資法人は運用する不動産ポートフォリオについて異動があれば、その都度投資家に向けてIRニュースを開示して運用状況を報告することにも努めます。投資家に不利がないように、ディスクロージャー(情報開示)が厳しく義務付けられています。直接的な保有とは違いますが、運用する不動産ポートフォリオについて情報が不足するようなことについても心配はありません。

(5)レバレッジを効かせた投資ができる

J-REITは、レバレッジを効かせた投資もできます。

レバレッジは、投資資金以上の金額(他人資本の活用)で取引ができる仕組みのことです。信用取引であれば、自己資金の最大3.3倍の金額で投資ができます。3.3倍のレバレッジを効かせれば、同じ値動きでも通常の3.3倍の運用益を得ることが期待できます。
例えば、自己資金が20万円だとした場合、信用取引を行ってレバレッジ3.3倍で66万円までの投資が可能になります。

※信用取引を行うには、投資家の方が証券口座を開設した証券会社で、信用取引口座も開設していることが必要になります。


会社名

不動産投資信託(J-REIT)のリスク

J-REITは元本が保証された商品ではなく、価格変動リスクがあります。
投資証券価格は、日々変動し、不動産投資信託を買い付けた投資家はその値動きによって損失や利益を受ける可能性があります。

J-REITは、不動産市況の影響を大きく受けるリスクがあります。

不動産投資信託の投資対象はマンションやオフィスビル、商業・物流施設などすべて不動産です。そのため、賃貸や売買市場の冷え込み、金利の変化、経済情勢などの影響を受け、投資先不動産の収益が悪化する恐れがあります。不動産市況が落ち込むと、連れて投資証券価格も大幅に下落する可能性があります。

J-REITを買い付けた投資家の方は不動産市況の影響を大きく受けることを念頭に、経済情勢や景況の変化を注視しておき、リスクの高まるタイミングでは売却益(キャピタルゲイン)を確保できるうちにポジション(保有)を整理したり持ち高を減少させてリスクが限定的になるように対処します。
ただ、このことはJ-REITだけのリスクではなく、不動産投資も同様に抱えるリスクになります。

このほかJ-REITのリスクに挙がるのは、空室リスクや賃料滞納、災害リスクなど実際の「不動産投資」と同じになります。【2. 不動産投資のリスク対策について】の記事も参照してみてください。

【2. 不動産投資のリスク対策について】


実際の不動産投資信託(J-REIT)をピックアップ紹介

J-REITの投資証券(2021年6月時点では62投資法人が上場しています)の実際にどんなものがあるか、個別の不動産投資法人の投資証券の概要を例示してみます。
6月11日の東京証券取引所の取引でJ-REIT売買高ランキング上位5投資証券を取り上げました。

売買高ランキングの上位にポジションしたという意味合いは、このタイミングで活発化な商いをこなして人気化(注目を集めた)した投資証券であることを意味しています。

(1位)8951 日本ビルファンド投資法人 投資証券 ---- 証券価格:71万2000円 前日比△2.33% 売買口数1万1832口
三井不動産、住友生命等が母体。「NBF大崎ビル」「ゲートシティ大崎」など都心、東京周辺、地方主要都市のオフィスビルに特化。直近保有資産は76物件、1兆3851億円

(2位)8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 投資証券- 証券価格:68万2000円 前日比△0.72% 売買口数7481口
三菱地所、三井物産がスポンサー。「汐留ビルディング」など首都圏を中心とした主要都市のオフィスビルに特化。直近保有資産は73物件、1兆0705億円

(3位)8953 日本都市ファンド投資法人 投資証券 ---- 証券価格:11万7500円 前日比+1.73% 売買口数3万6967口
三菱商事とUBS母体。MCUBS MidCityと21年3月合併。3大都市圏を中心に商業施設、オフィスビルなどに投資する総合型。直近保有資産は127物件、1兆1915億円

(4位)3462 野村不動産マスターファンド投資法人 投資証券-証券価格:18万1800円 前日比△0.60% 売買口数2万2596口
野村不動産系REITが15年に合併し誕生。16年トップリートも合併。東京圏軸にオフィス、商業・物流施設等に分散投資する総合型。直近保有資産は299物件、1兆0662億円

(5位)8972 ケネディクス・オフィス投資法人 投資証券 - 証券価格:79万9000円 前日比△1.11% 売買口数4383口
ケネディクスが設立母体。「KDX浜松町プレイス」「三菱重工横浜ビル」など東京圏の中規模オフィスを中心に投資。直近保有資産は97物件、4414億円

不動産投資信託(J-REIT)を学んでみたくなったら

上記にJ-REITの概要をまとめてきました。
J-REITの投資証券を買い付けた投資家ご自身の証券会社の情報サイトでも、J-REITや不動産業界のニュースを収集することは可能ですが、最新の不動産投資信託のニュースや不動産投資法人のIR情報を効率よく見るのに便利な「すべての投資家のための不動産投信情報ポータル」があります。

個別銘柄の概況ももちろんですが、J-REITの記事・ニュース、また有料配信になりますが「J-REIT銘柄分析セミナー」などイベント・セミナー情報も掲載されています。J-REITの売買や検討に、分配金利回りランキングなども掲載されているため、情報収集に役に立ちそうなので覗いてみてはいかがでしょう。

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