不動産投資は「不動産投資ローン」を利用して金融機関から資金を融資してもらうこと、その融資の返済に入居者様からの家賃収入をまわしていくことで、他人資本でレバレッジを効かせることができます。その「不動産投資ローン」を組む初期費用には80~100万円程度が必要になります。
目次
「不動産投資」に必要なお金をどうするか
私、佐藤に「不動産投資」と熱心に向き合うきっかけを作ったワンフレーズがあります。
「金がないから何もできないという人間は、金があっても何もできない人間である。」
阪急電鉄をはじめとする阪急阪神東宝グループの創業者、鉄道をもとに都市開発(不動産業)、百貨店(流通業)など一体開発する私鉄経営モデルを創始した実業家・小林一三の言葉だったんです。
まさに金言、お金にまつわる鋭い指摘だと思いました。そして自分が気づいたのは、お金=自己資金が潤沢になくても不動産投資ローンを利用できれば、不動産投資は始められる。その“お金(自己資金)が多額になくても何か(不動産投資が)できる”ってことはとてもスゴイことじゃないかって……。
「不動産投資」を始めるのに先立つものはお金(自己資金に限りがあればローンで補う)と意欲、そして不安に陥らないための知識・勉強だと思いました。「不動産投資」を行うには、物件を購入する費用を不動産投資ローンで調達すればスタート地点に立つことができます。
収益用の物件購入に、ご自身でこつこつ貯めてきた預貯金、相続で受け取ったまとまった資金があれば自己資金を使うこともできますが、当時の自分のようにお金がなくても、「不動産投資」は金融機関を利用した資金調達「不動産投資ローン」の利用でスタートさせることができるのです。
「不動産投資」は事業性が高く、担保となる不動産が財産として形に残るため、金融機関に信頼を得てお金を借り入れることができます。
「不動産投資」は他人資本でレバレッジを効かせて……
「不動産投資」は、一部の富裕層の方しかできない投資ではないかと見ている方が、世の中には少なからずいらっしゃると思います。
私、佐藤も不動産は世の中で一番高額な買い物って思っている訳です。それでまとまったお金がなければ取得できないと思い込みがありました。
しかし、初めての不動産(マンション、アパート)投資を行う方でも、2件目、3件目の不動産投資を行うオーナー様もそうですが、多額の自己資金を準備しなくても、「不動産投資ローン」という金融機関の他人資本を融資してもらうことで不動産投資を始めることができます。
潤沢な自己資金を用意できないときでも「不動産投資ローン」を用いることで不動産投資は開始できますし、自己資金に余裕がある方も「不動産投資ローン」を利用して自己資金以上の物件数を購入することができたり、緊急な支出に備えて自己資金をプールでき余裕を確保することができます。
不動産投資に「不動産投資ローン」の他人資本を取り入れることで、レバレッジを効かせることの有利さは以下のように理解できます。
(1)【1000万円の自己資金だけで投資用不動産を購入】年間80万円の家賃収益が見込め、表面利回りが8%
(2)【1000万円の頭金+2000万円の融資金で3000万円の投資用不動産を購入】年間240万円の家賃収益が見込め、表面利回りが8%
(2)の場合、借入金2000万円の年間利息額(金利3%)は約60万円になり、年間収益240万円から年間利息額の約60万円を差し引いた約180万円(約18%)が実質収益になります。
表面利回りは8%で同じですが、レバレッジを効かせていない場合に比べて借入金の年間利息額の支払後でも約100万円の収益アップになります。
自己資金の1000万円に対し約180万円の収益となるため、自己資金に対する利回りは約18%になります。投資効率に関しては約2.25倍(180万円÷80万円)」のレバレッジを効かせたことになります。
「不動産投資」スタート=「不動産投資ローン」を申込む
投資用物件を購入する際、「不動産投資ローン」を組む事で自己資金の何倍もの物件を手に入れられるほか、自己資金に対してレバレッジが効いて投資効率がアップすることがわかりました。
そこで「不動産投資ローン」を申込むと、金融機関側での融資審査が行われます。審査内容に問題がなければ、不動産投資ローン契約(金銭消費貸借契約)を締結することになり、購入資金を借りて物件を購入することになります。
その不動産投資ローン契約を締結するときは、無料で契約締結をすることはできません。金融機関に対して、以下の初期費用を支払う必要があります。
[初期費用の一覧]
印紙税
事務手数料
保証会社保証料(+保証会社事務取扱手数料)
抵当権登記設定費用、抵当権登記設定手数料
団体信用生命保険料
火災保険料、地震保険料
印紙税
「不動産投資ローン」契約を締結する際に、金銭消費貸借契約に印紙税を貼付する必要があります。これは、印紙税法によって以下のように法令で決められているものなので、支払う金額を減らすことができません。
借入金額 印紙税の金額
100万円超~500万円以下 2000円
500万円超~1000万円以下 1万円
1000万円超~5000万円以下 2万円
5000万円超~1億円以下 6万円
1億円超~5億円以下 10万円
5億円超~10億円以下 20万円
10億円超~50億円以下 40万円
事務手数料
ローン申込時の手続きに関する手数料として支払うのが事務手数料になります。
事務手数料は、金融機関や借入金額によって手数料の金額が異なってきますが、手数料の算出方法は以下の2つに分かれています。
(1)定率型
借入金額に対し一定の割合を手数料として支払う方式。
借入金額の2%の場合で、借入金額が2000万円の場合
2000万円×2%=40万円
(2)定額型
借入金額とは関係なく約3~6万円で設定されている手数料を支払う方式。
定率型と定額型を見比べた場合、定額型を選んだ方がいいと思われますが、月々返済時の金利が高いケースがあります。単に事務手数料が高い低いというだけで金融機関を選ぶべきではないと思います。全体を見比べてみてからがいいと思います。
保証会社保証料(+保証会社事務取扱手数料)
「不動産投資ローン」では多額の借入れを行うことになります。お金の貸し手となる金融機関は、確実に返済してもらわないと多額の損失を被ることになります。
そのため金融機関はお金の借り手に対し、もしものために借入れの返済をしてもらうための保証会社を立ててもらいます。その保証会社を立てるための費用が保証会社保証料になります。(その保証会社が保証をする際の事務手数料が必要な場合もあります。)
保証会社保証料の支払い方法には以下の2つがあります。
(1)借入金利に上乗せし、毎月の返済額に組み入れる方法
上乗せ金利は、0.2~0.3%になることが多いようです。
(2)不動産投資ローンの借入時に一括で支払う方法
保証料の目安は、借入金額の2%程度になります。保証料が不要な金融機関もありますので、金融機関を選ぶ際に確認しましょう。
抵当権登記設定費用、抵当権登記設定手数料
「不動産投資ローン」を返済できなくなった場合、返済の代わりに借入れの時の担保となっている土地や建物を売却して返済に充てる仕組みになっています。その仕組みを使うための権利のことを抵当権と呼びます。
その抵当権設定のための費用が抵当権登記設定費用、抵当権登記設定手数料になります。この抵当権登記設定費用は、登録免許税法等の法令で定められているものです。抵当権登記設定手数料は、銀行指定の司法書士に対する報酬となるものなので、基本的に借入れの際の減額交渉は難しいとされます。
団体信用生命保険料
団体信用生命保険(団信)は、お金の借入れを行った人が万が一事故・病気により死亡した場合等に、今後の返済が不要になり遺族に借入れのない投資物件を残すために加入する保険です。
この団体信用生命保険は、基本的に有償でのオプション(保険料はローンの金利に上乗せとなります)となっているケースがほとんどです。場合によってはキャンペーンで無償でのオプションになるケースもあるようです。「不動産投資ローン」を利用する場合、ほとんど加入が必須となりますし加入のメリットが大きいので、私、佐藤は団信に加入するほうをお薦めします。
火災保険料、地震保険料
「不動産投資ローン」を利用するとき、金融機関から火災保険や地震保険の加入を義務付けられます。個人で通販型保険を選ぶこともできますし、保険代理店となっている不動産会社であればそちらを選ぶこともできるので、比較検討してどの火災保険に加入するか、地震保険のオプション内容などを選定します。